「日常の夫婦の生活の中では、お礼を言いたくても、そのチャンスがありません。これは、私の主人へのお礼の印です。主人が一番喜ぶことは、皆さんと一緒に飲むことなのですから」
それも10人や20人ではない。恐らく100人は超える。小学校から大学までの同窓生、体育会の仲間、会社の同僚がいるかと思えば、プライベートな友人や、このご夫妻が仲人した若い人たちもいる。そうした人たちが銀座に参集した。案内状には、マル秘の判子ガ押してあって、「ぜひ主人には言わないでください」とあった。こんなに多くの人たちが、最後まで、それを守った。
「私の誕生日に家内はいろいろ計画してくれるので、今夜も親しい人たちと飲めるのかな?と思って、言われるままに、ここへ来ました。しかし、こんなに大勢とは!」
三人のお嬢さんたちは、それぞれの道を着実に歩んでいて、津軽三味線やダンスを披露した。
「二人が会って、結婚しようということになったとき、親から反対された。それで、家を出て、小さなアパートで暮らしはじめた。それから40年経った。でも、この人に出会ってよかったとつくづく思っている」
私は、そのパーティ−の間中、涙が止まらなかった。涙が頬を伝わって流れた。それは、単に幸せな家族を観ただけの感動ではなかった。夫婦愛とか家族愛という言葉以上のものだった。特に、奥さんからご主人への深い愛情を観た。それに感激し、敬服したのだった。
これからも、人生の role model として、生きてほしい。
若い人へのお手本としてだけではなく、私たち自身のへ手本としても。
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