10年以上も親しくしているアメリカの友人のお嬢さんが結婚することになり、その披露宴の招待が届いた。場所は、ハワイのオアフ島。
アメリカ人の結婚式に出席したのは、30年も前のことだ。その頃はじめて行ったハワイは一度で夢中になり、これまでに何度も行ったが、あのさわやかな風と日光を楽しみたかったので、喜んで応じた。
実際に行ってみると、結婚式や披露宴からまわりの人々の対応まで、全て想像の範囲を越えていて、目を見張るばかりだった。すべてが‘大袈裟’でなく、‘さりげない’。
披露宴の2日前に花嫁の父、フィン・ジェンセン、が、ワイキキのロイヤル・ハワイアン・ホテルでパーテイを開いた。オーシャンビューのスイートルームを借りきって、そこに60人ほどの親しい友人たち。眼下はワイキキの海、左手にはダイヤモンド・ヘッド。室内は30畳位の広さで手前にバーカウンターがあり、中央のテーブルにはブッフェ・スタイルの夕食 ー シュリンプ・カクテル、スモークド・サーモン、てんぷら、やきとり、生のブロッコリー、カリフラワー、人参などのサラダ、それにフルーツ ーが色とりどりに並んでいる。
新婦のジュリーはチョコレート・ブラウンのミニ・スリップ・ドレス。
新郎のジェイはアロハ・シャツ。男性はアロハに短パンツの人もいる。年配の人でさえもアロハがほとんど。ネクタイをしていた人は花嫁の父とワシントンDCから来た政府の役人だけ。この人は、私に名刺を出したが、名刺交換をしたのはこの人だけだった。
この間、新郎新婦のジェイとジュリーは一緒にいたり、離れたり、ごく自然に振る舞っている。
この二人の紹介はない。スピーチはパーテイを主催したフィンだけ。
「今日は皆さん、どうもありがとう。こんなに多くの皆さんにお集りいただいて喜んでいます。日本からもきてくれました。どうぞ、ごゆっくり」と言ったあと、新郎の父のジョン・ウオーターズに向かって「ジョン、なにか言うことはある?」と聞く。「いや何も。皆さん、飲んでください」とアロハ姿で手にしたビールをあげながら、彼は応える。
翌日の夜は、新郎の父がレストランでパーテイを開いた。
招待客はテーブルに座ってから、普通のお客に混ざってサラダ・バーで好きなものをとった後、思い思いにオパ(マンボウ)の塩焼きやステーキなどを注文した。
81歳の新婦のお婆さんが「ジュリーが生まれて5週間のころ、彼女をつれて、海岸を乳母車で散歩していた。そのとき私は、誤って彼女を砂の上に投げ出してしまった。今日まで、この私の失敗を誰にも話なさなかった」といって会場が爆笑。
新郎のお婆さんのほうも、バンドに合わせてハワイアン・ダンスを披露、80の年齢を忘れさせた。
(続く)
【日記の最新記事】

